不眠の解消方法はさまざまありますが、その中でも「電位治療」「微弱電流療法」の二つが特に注目されています。しかし、その二つの具体的な違いがわからない人も少なくないでしょう。本記事では、電位治療・微弱電流療法のそれぞれの概要を詳しく紹介するので、ぜひご一読ください。
電位治療の概要
電位治療は、人体に一定の電位を与えることによって、頭痛・肩こり・便秘・不眠といった原因の特定が難しい不調の改善を目的として行われる医療技術です。電位治療器には医療機関向けのものと家庭用のものがあり、特に家庭用機器は操作が簡単で安全性も確保されているため、自宅で手軽に症状の緩和を図ることができます。電位治療の仕組み
電位治療の仕組みとしては、電極間に高電圧をかけて電界を発生させ、その空間に身体を置くことで自律神経やホルモンバランスの調整を促すとされています。「電位」とはプラス・マイナスの電荷を持つエネルギーのことです。そして、電位のある空間は「電界」と呼ばれます。この働きにより、生活習慣の乱れなどで崩れやすい身体のバランスを整え、体内の働きを正常に導く効果が期待されています。
自律神経を整えるのが役割
自律神経は血液循環、発汗、体温調整、呼吸、生殖機能、代謝といった生命維持に欠かせない機能を担い、ホルモンは成長や発達、体の調整に広く関与しています。これらが乱れると体調不良の原因となりますが、電位治療器は電位変化によってその働きを整え、頭痛や肩こりの軽減、腸の働きの改善による便秘の緩和、不眠の改善に役立つとされています。また、酸性に傾いた体質を弱アルカリ性に戻す働きや、興奮状態にある神経を落ち着かせる作用も期待できます。
電位治療器の医療機器としての定義
日本では、一定の認証基準を満たした電位治療器のみが医療機器として認められており、効能として標榜できるのは「頭痛・肩こり・便秘・不眠症」に限定されています。機器によって付加機能や出力方式には違いがあり、温熱治療・低周波・温灸などを組み合わせた複合型も存在しますが、基本となる理論や認められた効能は共通です。電位治療器の使用における注意点
一方、安全に使用するための注意点も明確に定められています。特にペースメーカーなど電磁障害の影響を受けやすい機器との併用は厳禁とされ、心臓病などで過度な運動を制限されている場合も使用を控える必要があります。また、導子が濡れた状態で使用しないこと、使用中は他者との接触を避けることなど、基本的な使用ルールを守ることが求められます。さらに、妊娠初期や出産直後、悪性腫瘍、高血圧、糖尿病、不整脈などの疾患がある方は、使用前に医師へ相談しましょう。
微弱電流療法の概要
微弱電流による美容・健康ケアは、近年エステティック業界を中心に注目を集めている施術法の一つです。この方法は、人の身体に流れる「生体電流」と呼ばれる微弱な電気信号に着目し、その乱れを整えることで美容や健康の向上を図るものです。生体電流とは、心臓の動きや筋肉の収縮といった生命活動に伴って発生する微弱な電気であり、細胞を通じて全身を巡っています。この電流がスムーズに働いている状態では、身体や肌のコンディションが良好に保たれるといわれています。
しかし、ストレスや加齢、生活習慣の乱れなどによってそのバランスが崩れると、肌のくすみやたるみ、シワ、さらには身体の不調といったさまざまな問題が現れやすいです。
微弱電流療法に期待できる効果
微弱電流療法では、この生体電流の乱れを整えるために、低周波や中周波のごく弱い電気を皮膚に流し、細胞や筋肉に刺激を与えて本来の働きをサポートすることが目的です。施術によって筋肉が刺激されることでフェイスラインの引き締めやリフトアップ効果が期待されるほか、血行が促進されることで新陳代謝が活発になり、肌のハリや弾力の改善、明るい肌印象の実現といった美容効果が見込まれます。また、コラーゲンやエラスチンの生成を促進するとされており、美肌を目指す方に人気の施術です。さらに、微弱電流が神経系や筋肉へも働きかけることから、リラックスや身体のコンディション調整といった側面でも注目されています。
微弱電流療法の注意点
一方、微弱電流療法には安全に施術を受けるための注意点も存在します。まず、この施術は医療行為ではないため、疾病そのものの治療を目的として実施することはできません。また、心臓にペースメーカーを装着されている方、妊娠中・授乳中の方、皮膚に炎症や傷がある方は使用を控える必要があるとされています。さらに、施術中に痛みや強い刺激を感じた場合には、速やかに中止することが重要です。
誤った方法で電流を流すと肌トラブルや体調不良の原因となる可能性があるため、施術は必ず専門の知識をもつスタッフによって行われるべきとされています。